【田舎暮らしを疑似体験】『自作の小屋で暮らそう…』の書評
生産性や効率化、人間関係の悩み、税金、将来への悩みを一時的に忘れたい方へ。
都会の生活に疲れて田舎に行きたい、自然を感じたいと思っている方へ。
この記事は『自作の小屋で暮らそう──Bライフの愉しみ』の書評となります。
- 日本でリアルマインクラフトの生活をされている著者の様子
- 「田舎で生活したい」という願望をより具体的に妄想したい
という方はぜひこの記事でどんな内容になっているかを見ていってください。
※自分語りが多いので注意です
本の簡単な紹介
法律などの知識を武装できる賢い著者が、日本で最小限の家を持って暮らすという本です。
凄い悪い言い方になってしまいますが「本気でホームレスをやろうとしたら家を作った方が楽だった」という印象を持ちました。
役所に怒られなくて会社からの束縛もなく(週1のバイト)家賃にも追われずに生きていく著者。
パラレルワールドを見ているような、でも現実でそうされている不思議さなどを感じられた本でした。
Amazonの評判
273件で☆4.1/5と高評価です。
サクラチェッカーでも合格(不正なし)の本です。
ん~なところ
マネは難しそう
支出を抑えた暮らしはぜひマネしたい!と思うのですが、マネは難しそうです。
なぜなら著者は本気でやっているからです。
本気で
- 不動産屋で土地を探し、現地に赴き
- 自分でホームセンターに行き建築材料を用意して組み立て
- 法律を学びルール違反にならないようにしています。
- 食事を栄養面で考えて1万円くらいで済ませている
読んでいて、土地探しと法律違反しないようにする建築や排水が面倒そうに感じました。
これなら初期費用100万円くらいで実現できるようですが、楽にマネしたいなーという気持ちではダメでした。
田舎と都会の間の郊外くらいでいい感じの土地で上下水道と都市ガスで…ではなかった…
すべては国の頭の中
本の中身と関係ないデメリットですが、日本には都市計画法という法律があるようです。
僕にはそれが辛かったです。
なぜなら日本のすべての土地が決められているからです。
都市計画区域と準都市計画区域、それ以外みたいな風に決められています。
当たり前と言えばそうなんですが、僕は遠くから薄く青みがかった山を見るのが好きです。その山には一度も行ったことがない都会の人間ですが、その偉大さや見ている時の風が体に当たる気持ちよさ…。
自分では収まりきらない空や山の物理的大きさや時間の長さとかをボーっと見ている時に、貧乏の弱者男性だけど生きていて良かったと感じています。
でもその山も誰かの所有物で国の管理下にあるって思うと、飼育ケージの中にいるみたいで気持ち悪く感じるんです。
海には風力発電用の風車をいっぱい建てるらしいですし…。(TVの知識)
だから都市計画法という事実に気づいたのは結構辛い事でした。
30代になって気づくなんて世間に笑われそうですけどね^^
ネットの凄さ
ネットの凄さを利用できていない自分を惨めに感じました。
成功している方と一応このブログをやっている自分とを比較してしまうからです。
著者はこの生活をブログなどで発信していくことで出版社の方と繋がり、書籍化されたようです。
ネットの凄さをうまく利用できています。
一方僕は書評や彼女作り、一人暮らし、資産5,000万円などやりたいことが普通ですし、それ以外の夢や目標が特にないので○○で人の役に立って稼ぐぞ!がないです。
つまりブログは楽しいですがその軸が弱いんだと思うんです。
暮らしをする→ブログにしておく
お金欲しいお金欲しいお金欲しい→ブログは儲かるらしい→ブログする
ブログの内容は?→役立つ情報にしたい→(自分でも勝手にするつもりだけど)読書や彼女作り等をやろう
こんな具合でお金のための記事になってしまいそうで怖いんです。
僕も著者みたいに面白さや魂のある記事を書きたいですし、誰かと繋がりたい、ネットの恩恵をあずかりたい。
でも自分にそれができるのか?悩んでいます。
良かったところ
ロビンソン・クルーソー(1人)ではない良さ
「言葉」というコーナーが好きでした。
日本で実際にそんな暮らしをしている人を周りの人はどう見ているのかを覗き見ることができるコーナーです。
上下水道が通っていない、都市ガスもない暮らしなんて考えられないんですが、その疑問と現実の人対人のコミュニケーションが合わさった妙な感じを味わえます。
例えばこんな感じです。近所の夫人からのセリフ。
「多々あるでしょう? 不便なこと?」 ──いまんとこ別に…… 「ないのー? 快適なんだぁ、あそこ? アーハハハ」 お腹を抱えて笑っていた。聡明な人なんだろうな、と思った。
高村友也 (2017).自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ.ちくま文庫.127p
夫人のセリフも著者の考えも何度も反芻できる気持ちになれます。
こういうのが11こ掲載されています。
排泄物を合法的に処理
おしっこやうんちはそのまま捨てることは法律でできないということを知りました。
そこで著者は工夫して法律と自然のシステムを利用したトイレを作って問題を乗り越えます。
これはマネできそうにないなーと思いました。
僕は冬は便座があったかくなっていてほしいし、温水ウォシュレットも付いて水で流れないと変に感じるくらいに生活レベルが上がってしまっているようです。
水洗トイレって贅沢なことだったんだと改めて感じました…
食事への意識
著者は毎月1万円程度で食事を済ませていることにびっくりしました。
著者はスーパーで米や味噌などの調味料以外のほとんどは嗜好品と割り切れているのがえげつないです。
高村友也 (2017).『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ』.ちくま文庫.118p
- 朝 おにぎり、漬物……50円
- 昼 スパゲティやラーメン……100円
- 夜 ご飯、一品(味噌汁など)、漬物……150円
もちろん上以外にもチョコビスケットやコーヒーを嗜んだりしているようですが、僕は割り切れない!!
ここを少しでもマネできればいいんですが。
そうすれば自分の月間の食費を抑えられて新NISA用に10万円満額を投資に使えるのですが、難しそうです。
クリームパンやヨーグルト、サーモン、鳥のモモ肉を食べたい!
我慢できねぇ…!
マネは出来そうにないですが、この嗜好品という考えを意識して変に無駄な食事をしないようにしていきたいと思えています。
グルメ番組やコンビニを見た時に思い出すようにします。
まとめ
今日の1歩
自分の生活で食事が結構な楽しみになっていることに気づいた。
クリームパンに練乳フランス、もっちりタイ焼き、やきいも、エビチリ…
これらを毎日食べてしまっているから、著者を見習って2日に1回くらいに減らしたいな…
できるかな…
まとめ
(一番ショックだったのは著者と関係のない所でした。
それは自然は自然じゃない。どこもかしこも誰かの所有物という所です。
都市計画法など管理しないと数字にしにくいから当たり前の事なんですが。
手塚治虫の火の鳥の望郷編の世界観を想像してしまう。悲しい。それは置いておいて、)
支出を抑えた生活は尊敬します。
僕は地方の中古一軒家か都会の賃貸を借り続けるかでずっと悩んでいます。
答えは出ませんが、地方一軒家の方の現実的な端の一例を学べました。
視野を広げることができました。
まとめるとこうです↓
以上『自作の小屋で暮らそう──Bライフの愉しみ』の感想でした!
参考文献
高村友也 (2017).『自作の小屋で暮らそう ──Bライフの愉しみ』.ちくま文庫.219p